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2023.9.26

​パキスタンITエンジニア向け日本語・日本文化習得プログラムを人材会社のPlus Wが開発。エンジニア不足に悩む日本企業でパキスタン人材がスムーズに働けるよう、プログラム正式運用へ

トライアル修了生は既にITエンジニアとして、長崎の企業で今年6月より活躍中

グローバル人材派遣・開発会社のPlus W株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長:櫻井稚子)は、エンジニア不足に悩む多くの日本企業に対し、IT教育先進国となりつつあるパキスタン人材の紹介・派遣や先端IT開発に注力していますが、日本企業での就業機会を一層拡大するために、この度、パキスタンの即戦力I Tエンジニアに向けた日本語・日本文化習得プログラムを独自に開発。トライアル実施で一定の成果を確認できたことを機に同プログラムを正式ローンチいたします。

即戦力パキスタンIT人材活用を加速させる鍵とは

国をあげてIT教育に取り組むパキスタンでは、毎年多くの優秀なITエンジニアが多数輩出されています。にもかかわらず、他国と比べ日本での就業・活躍が少ない現状は下記のグラフからも見て取れます。エンジニア不足の日本では、即戦力パキスタンIT人材とのマッチングは課題解決に有効な手立てであると創業以来、力を入れて取り組んでいます。同国は若年層でもハイスキル人材が多いことに加え、日本企業からのニーズ・評価も高く活躍の場も広がってきています。日本企業がIT開発現場において外国人人材の活用を広げていく際に、即戦力パキスタンITエンジニアが日本企業での慣習、スタッフ間のコミュニケーションに最低限必要な日本語の日常会話力、日本で一般的に使われるエンジニア用語など、保有するスキルをさらに活かして活躍するための“活きた日本語や日本への理解”を持ち合わせることが、人材マッチングが加速する鍵になると感じています。

JICAファイナルレポート「パキスタン・イスラム共和国 本邦ICT企業とのビジネスマッチングを通じたICT産業振興にかかる情報収集・確認調査(2021年8月)」

そこで当社は、働き手と受け入れ企業の双方の声をもとに、純粋な語学プログラムではなく、日本企業での就業を前提とした「即戦力ITエンジニア向け日本語・日本文化習得プログラム」を開発いたしました。なお開発にあたり、早くからグローバル教育・人材育成に力を入れ、パキスタン人学生を含む留学生の積極的な受入れ実績と留学生就職率100%を誇る四国大学より、日本語教育に関するノウハウ提供も受けています。

プログラムの特徴

  • 即戦力ITエンジニアが日本企業でスムーズに開発案件に着手するために必要な日本語や、開発シーンにおける日本特有の文化に特化したプログラム設計
  • ベトナムのオフショア会社における統括責任者として10年以上の豊富な経験を持つ弊社ブリッジエンジニアによるプログラム開発
  • 日本国内の有力なIT企業に従事するCTOクラスのエンジニアによる日本の開発現場における先進的で革新的な環境を紹介する講義

プログラムの開発には、日本・ベトナム・中国・タイほか数カ国におよぶ語学教育において10年以上の豊富な実績を有し、語学教育・語学学習コンサルタントとして活躍する人材を採用。言語的側面だけでなく、文化的な違いにも配慮したプログラムを設計しています。間接法=英語で日本語を教える手法を用いることで受講生の理解力を高め、習熟スピードを速めることを重視しました。

トライアル実施で実際の習熟度合いを検証

正式なローンチの前に、プログラムの効果検証を行うため、パキスタンITエンジニア3名を受講生とし、2022年11月〜2023年3月までの約5ヶ月間トライアルを行いました。

1コマあたりの受講時間や週に1度という頻度、計3ヶ月と言う期間については、改善などを求めることもありましたが、プログラム内容に関してはトライアルで有効性がしっかりと確認できたため、受講生のうち1名を当社で採用することにいたしました。トライアル終了の2ヶ月後、今年5月に来日を果たし、6月に正式入社しています。現在は当社からの派遣で、長崎県に事業所の一つを構えるビーウィズ株式会社にて開発案件に従事。仕事での成果を発揮するとともに、仕事を超えた時間などではスタッフとのコミュニケーションも日本語を使って積極的に図っているようです。

これを受け、当社がパキスタンIT人材との交流拠点を設けている国立科学技術大学(通称NUST)でも正式ローンチに先んじてプログラムを実施し、25名が受講しました。先月末に第一期が終了。今後は25名定員規模で年4期、年間計100名ほどの受講者輩出を目指し開催計画を立てています。また、この度の正式ローンチを機に、10月以降はパキスタンの他大学でもプログラムをスタートさせる予定です。

日本語・日本文化習得プログラム

  • 正式名称:即戦力ITエンジニア向け日本語・日本文化習得プログラム
  • 実施期間:1コマ90分×12コマ
  • 実施形態:オンライン ※地域によって今後、オフライン(対面)開催もあり

トライアルプログラムの受講を経て来日したAbdul Hanan Ashraf(アブドゥル ハナン アシュラフ) に関して、受け入れ企業側のコメントを以下の通り、いただいています。

ビーウィズ株式会社 アライアンス推進部
青木 康修 部長

自社ソリューション開発により高い技術力を擁するエンジニアを必要としていた際にPlus Wの取り組みを知り、多数の候補者から厳選して今回のパキスタンエンジニアの受入れを決めました。言語の問題はもちろん、ハラール食やお祈りといった文化の違いを受け入れることに多少の不安はあったものの、Plus W側の事前調査や来日前に日本語プログラムを受講していること、さらにブリッジエンジニア併用でとの提案を頂いたことで前向きな検討に繋がったと思います。就業初日の挨拶では日本語で自己紹介をするなど、比較的簡易な日本語であれば聞き取りが可能であったことでチームへの溶け込みも早く、さらに現地長崎採用のエンジニアで構成されるチームは平均年齢が若いためか翻訳ツールやホワイトボードなどを活用して英語と日本語で積極的に意思疎通を図っており、エンジニアとしての共通言語を持ち合わせていることも重なって日々のタスクを確実に実行してくれています。今後もクラウド型のソリューション開発において中核を為す人材として活躍されることを大いに期待しています。

デジタルラボ長崎の開発チームのメンバー。前列左から2番目が青木康修部長。後列左から2番目が弊社エンジニアのAbdul Hanan Ashraf(アブドゥル ハナン アシュラフ)。3番目がAbdul Ahad(アブドゥル アハド)

ビーウィズ株式会社について

https://www.bewith.net/
自社開発のクラウド型PBX「Omnia LINK」等のデジタル技術を活用したコンタクトセンター・BPOサービスの提供、および各種AI・DXソリューションの開発・販売を行う。パキスタンエンジニアが配属の「デジタルラボ長崎」はデジタルオペレーション推進のためのニアショア開発拠点として2022年4月に設立。主に在宅コンタクトセンター支援ツールである「Be-mon」の自社開発を行う。

また、日本語・日本文化習得プログラムに関するプロジェクトを推進する当社の森本によると、「パキスタンITエンジニアが日本のIT企業で働くシーンに特化した、Plus Wオリジナルの日本語・日本文化習得プログラムをいよいよ正式にローンチいたします。5か月間のトライアルで得た気付きや学びをプログラムに反映することで、よりよいかたちで拡大実施できることに手応えを感じています。トライアルの受講生で、Plus Wが採用した1名は既に来日を果たし、日本企業の開発案件に従事しています。彼が、来日して案件に携わるモデルのパイオニアとなり、日本就労を目指すパキスタンのITエンジニアの目標として活躍してくれることに期待するとともに、私たちも彼に続くパキスタンITエンジニアを多数輩出できるよう、まずは言語の壁を払拭するための本プログラムをより強力に推進してまいります。」と話しており、引き続き本件の拡大に努めていく所存です。」

プレスリリースはこちらから